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いちごの種かと あなたは尋ねる 手を伸ばして取る 黒い麻袋 双葉が芽生える 苗を植え替える よい場所を選び 命育ち賜えと 時を刻む大空の時計 恵むこの土の上に ひとつの夜毎 未来の方へ弾む きらり足音聞いて 贔屓をするよに 余計な草抜く 遅くなった夜も 粉雪の朝も 寒くはないかと 藁を木にかける 地の神に祈る 命守り賜えと 美しい滝の音のように 葉の擦れる音がする ひとつの夜毎 春の日が近づく 忍び足音聞いて アゲハ蝶きらきらと鏡に映る ひといき永遠の空気を吸って吐いて 柔らかな瞳は交尾をする様に 内なる力が外へ溢れていく いまもう少しで いまもう少しで いちごが染まると あなたは喜ぶ わざわざ見に来る 頬に笑みをたたえて 時を刻む大空の時計 恵むこの土の上に ひとつの夜毎 未来の方へ弾む きらり足音聞いて 虹色の瞳 たしかに見ている 屋根に立つ僕も 黒い二匹の猫たちも 美しい滝の音のように 葉の擦れる音がする ひとつの夜毎 秋の日が近づく 忍び足音聞いて モンシロ蝶ひらひらと青葉に映る ひといき永遠の空気を吸って吐いて 固く閉ざした殻を割る種の様に 内なる力が外へ溢れていく 今もう少しで 今もう少しで 枯れた枝を取り 辺りを耕す 感謝を捧げる 少し涙こぼして 時を刻む大空の時計 恵むこの土の上に ひとつの夜毎 未来の方へ弾む きらり足音聞いて ひとつの夜枚 秋の日が近づく 忍び足音聞いて
by t_shiratama
| 2010-06-28 15:02
| ひふみよ
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