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よ
ながくあちこちを旅して、日本に戻ってくると、いろいろな変化に気付く 言葉が変わってゆく、みんなの行動が変わってゆく その一方で、ぜんぜん変わらないものも、確かにある その、両方に気付くことはたのしいし、また、意味のあることだとも思う 今の日本では、安全、という言葉が流行っているらしい ビルのセキュリティシステム、自動車のチャイルドロック 火が自動的に消えるガスコンロ、お湯が沸くと自動的に止まる電気ポット こんなに安全な国なのに、もっと究極の安全を求めているらしい けれど、そんな安全の中で生活していると いざというときに、危険が感知できなくなってしまって かえって危険なことになってしまうんじゃあ?と思っていると 案の定、建設会社に勤める友人から、安全ボケ、ということばをよく耳にする お年寄りが増え続けるこの国で、安全、を売りにした家を売りたいのだが、 そのような家で生活していると、危険を察知する能力が失われてしまうのだ、と言う 安全に慣れてしまって、危険を察知できないというのは、すごく危ない気がする そんなことでは、旅行なんかは絶対にできない そんな、究極の安全を求めるこの国にも、全然安全じゃない風景がある 普段は欧米型に教育されている、この国の人たちも 自転車に乗ったとたん、どうやら別のスイッチが入ってしまい 安全なんか、どうでもよくなってしまうらしい 自転車というと、中国やベトナムのほうをイメージする人が多いかもしれないが 実は日本もそれらに負けてはいない 傘をさして歩道を歩いている僕の横を 自転車に乗ったおばさんが、猛スピードですり抜けていく 一方通行の道を、自転車が何台も逆走し、歩道を自転車が走る 子どもを自転車の後ろ乗せたお母さんは 子どもをただ、無造作に後ろに乗せているものだから、 もしなにかにぶつかると、子どもは何メートルも吹っ飛んでいくにちがいない そして夜になると、街中で自転車の酔っぱらい運転がはじまる ちなみにアメリカでは、それらのことは全部法律で禁止されている 傘をさして自転車に乗ることも、子どもを自転車の後ろに乗せて走ることも、 自転車の逆走も、自転車の酔っぱらい運転も けれど、日本ではやりたい放題 そんな日本の風景は、死を恐れるキリスト教やイスラム教の国々には決してない、 混沌を恐れない、ベトナムっぽいというか ヒンズー教っぽいというか、シルクロードっぽいというか そんなアジアの国々の魂のスイッチが、どうやら自転車に乗ると起動してしまうらしい えーい、どうにでもなれ、安全なんて関係ねぇ 常に危険とは隣合わせ、神さま仏さま みんなどこかで、まあ、死んでもいいよねー、と思っているようにも見える ああ、夢が夢ならそれでもかまわない、ってか また、資本主義のアメリカでは、人間こそが万物の支配者という感覚に満ちているが、 日本やアジアの国々ではそうではない 特に、都会を離れた場所ほど、その感覚が顕著にあらわれる アマゾンの奥地に歩く木があると言うと、 アメリカに住む人たちは、すぐにそれを科学的に解明しようとするけれど、 日本に住む人たちにそのはなしをすると、 まあ、木もあるくかもねー、と言うにちがいない 欧米の国々に満ちている、人間こそが万物の支配者、という考えは、 全世界に共通していることかというと、そうではなく、実は少数派で この世界では、植物にも虫にも魂があると考えている国々が その大多数を占めていることに気付く 学校では、教えてくれないけれど
by t_shiratama
| 2010-06-29 20:06
| ひふみよ
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